全力日和

俳優 窪田正孝さんに前のめり

Nのために 最終話 ②

感想後半。2014年の「N」達について。
 
ドラマ「Nのために」が何故ここまでよかったか。キャストの皆さん全員が素敵でしたが、やっぱり主役の榮倉奈々さんが超絶魅力的だった、これに尽きるのではないでしょうか。奈央子のために罪をかぶった西崎さんだったけれど、ある意味「希美のために」でもあったわけで、希美以外の3人が生きるうえでヒロインの出来映えにかかるウェイトは相当なものがあったと思います。当のご本人が「(クランクアップにあたり)もう希美に寄り添わなくていいのかと思うとホッとする」って言うほどのプレッシャーがあったのもわかりますね。
 
特に2014年の希美は、年齢考えてわざと抑えめにしてるところもあるんでしょうが、安藤を想って身をひいたこの10年の重み(たぶんそんなに幸せじゃなかった)また病気になってもう上も下も向く必要のない彼女の現状が、セリフや表情の端々によく現れていました。メイクや衣装も素晴らしかった!
 
それは、10年間なんの見返りも求めず会うこともなく、希美の幸せだけを願っていた成瀬にも同じ事が言えると思います。事件に遭遇する前、渋滞に嵌っていた成瀬は確実に希美を自分のものにしたかったと思う。でも「今度は俺の番だ」以降、違う成瀬くんになった。2014年の成瀬は「相手のために身を引くことが出来る人間」として彼女の前に現れる。その佇まいたるや!普通に弱ってる女性が喜びそうなことは何一つ言ってくれないくせに(笑)「ただ」一緒におってくれるだけの人なのに、なんなんでしょうかこの揺るぎない安心感は!!山の頂よりも尚高く、海よりも深いよ!(あれ?笑)
 
9話の段階で、成瀬のこの雰囲気にはもうひれ伏しまくっていたのですが(笑)ちょっと納得というか、興味深いインタビューが公式さんに載っていました。監督・塚原あゆ子さんの窪田くん評より抜粋。
 
 “成瀬くん”は朴訥で気持ちを秘めた役でしたので、隠すことを何度もお願いした
記憶があります。いろんな気持ちを表現できる彼にとってはすごく大変だったと思うけど、
逆に窪田君以外の成瀬くんは初めから私たちの中にはありませんでした。  

 

あの〝窪田〟に「隠せ」って指示しちゃうんだぜ、塚原さんよ。やだあニマニマしちゃう。小技が利いて独自の出力感のある俳優なのに、それわかってて敢えて隠しちゃうのは、本当に彼がデキる子なの知ってるからお願いするんだろうなあって、妄想爆発(笑)やっぱり凄いです、塚原監督。

 

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最終回の予告を観た際、すごく楽しみだったシーンのひとつ。安藤成瀬の対峙。何を話すのか予測もつきませんでしたが、 ここで安藤が杉下の想いを知ることになるなんて!すごい構成を思いつくものです。そしてまた安藤もすべて知ろうとするのをやめて身を引くんですね。一貫して太陽だった安藤がわずかに影をまとったシーン。そして希美を違った形で照らしてきた月と太陽が嘘偽りなくお互いを認め合うこの絵面。尺は決して長くないんですが、ロケーションの素晴らしさも伴ってこの上なく情緒のある素敵なシーンになりましたね!(はっ!スタッフが夕日にこだわったっていうのを読んだけど、もしかして夕日は太陽が姿を消すことの…暗示か…??)←すぐ深読みしてしまう。
 
安藤がこの物語に登場してから、安藤成瀬杉下の関係をどう解釈しようか、本当に(自分でも引くくらい 笑)頭を悩ませていたのですが、このときの成瀬「あの日杉下が考えていたのは貴方のこと」「(杉下とは)島を出るのにお互いの支えが必要だった」のくだり。なんか、すごく納得したというか。きっとそれ以上でもそれ以下でもないんだなって。関係性がどうとかって考えるのがすごく陳腐なことに思える、いいセリフでした。ただそのあとの「あなたを守ろうとしていました」には、杉下のすべてを理解している男のニュアンスが知らずに滲みでていて(成瀬くんにはなんの他意もないのは明白なうえで)うわああああ!ってなりましたけどね(笑)
 
川縁での語らいのとき「甘えられん」と言っていた希美。早苗ママとの再会を経て人に頼る生き方を自分に許せるようになりました。なんでこの人こんなに人に頼るの嫌いなのって思うこともあったけど、人に頼る生き方を変えられなかったお母さんへの嫌悪。その母に頼られ、押し潰されそうな程の重圧に苦しんだことへの反作用。早苗さんが過去を悔いてくれたことでやっと呪縛から解かれ、身の上を告白することができたんですね。お母さん、島に居た頃と違って化粧も薄いけど、小さな幸せを大切に生きている感じがよく出ていました。山本未来さんよかったわあ〜ホント泣きました。ああ…こうして見ると、このシーンも希美が成瀬の元へという展開に、欠かすことの出来ない要素だったんですね。
 
いま、つくづく思うのは、ひとりで生きていくと上を向いていた彼女があの日選んだのは安藤。そして病を得て選んだのは、弱さを見せられる成瀬。でも故郷に帰ることを決めたこの時点でもなお、安藤に想いを残していることが最後の空港のシーンで感じられるんですよね、ここも泣けました。とにかく尊いんですよ、二人の男性に同時に想いを寄せていても、それがすごく自然なことに思える。私は成瀬派ですが(笑)安藤の未来にも幸あれと願わずにはいられませんでした。
 
そしてラスト。希美にも、成瀬にも、穏やかで優しい時間がようやく訪れます。水平線を仰ぎながらの抱擁は、ドラマの締めくくりにふさわしい、そして窪田ファンならずとも心に残る名シーンになりました。
 
さてさて。ようやく吐き出せた感じがして、ひとまず満足(笑)たぶんこのブログでいちばん長い記事にお付き合いいただき、ありがとうございました。2014年、この作品に出会えて(個人的にはエキストラなんかにも行かせてもらえて)本当に幸せだったな〜。あっという間の3ヶ月間だったけれど、この先もきっと忘れません!「Nのために」。
 
 
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