全力日和

俳優 窪田正孝さんに前のめり

刑事のまなざし 最終章 後編

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2話続きモノの後編、種明かし回です。まずはこの回のマイ ベスト ショットから。野呂優人くんのときって、こんな顔絶対してなかったと思うんですけど…。同じ犯人でも、役の性格やそこに至る経緯なんかが、細かく反映されるんですね〜ちょっとひれ伏した。今回窪田くんが演じるのは、父親を殺され、母親が自殺。世間の誰からも顧みられない絶望から「生きる証としての殺人」に手を染めていく青年、山之内信吾。どこか虚無であり、それでいて粗暴な雰囲気も持っているキャラクターです。

それにしてもドラマの中の事とはいえ…〝人でも殺さないと誰にも気にかけてもらえない〟とか、この後で出てくる〝復讐のために自分に銃口を向け引き金を引かせたかった〟とか…哀し過ぎます。連続殺人犯の心情描写にはとかく身勝手な要素がつきものなんですが、ここはなんだか同情してしまった。前の週で平幹二朗さんにこの気持ちを代弁させているのも、効果的だったのかな?妙な説得力というか…誤解を恐れず言うと、どこか哲学の匂いも感じられるのです…。

本当は自殺するつもりだったと病室で打ち明ける辺りからは、もう窪田ワールド炸裂!ここでもしっかりキャラを作ってきてるんでしょう、叫び方に、ただ壊れそうな激白ではない「意志」のような強さが感じられました。窪田くんの叫びゼリフって、地声の部分にごく僅か声がひっくり返る音が混じっている気がしませんか?『淋しい狩人』のときの「革命革命革命だったんだよ」に代表される、このひっくり返った声の部分…刺さるんだわ、ものすごく(泣)

image.jpg さて、もうひとつの山場、取調室の

 シーン(刑事さんの数が若干多過ぎ

 ますw)新しい事実が判明します。

 1人だけ殺害方法の違った被害者が

 実は山之内の手にかかったものでは

 なく自殺だったこと。それを目撃し

 てしまった山之内が、自分と同じ境遇の子供を絶対に作るまいとして「自分が殺した」と噓をついた事。椎名桔平さん演じる夏目刑事に突きつけられて、徐々に抑え込んでいた感情が決壊していくさまは見応えありました。台詞ひとことふたことしかないのに〜〜。こんな動きのないシーンでこれだけ揺さぶられるとは…実は先週の予告の感じから後編では、逃走したり刑事と格闘したりの大捕り物を予想してワクワク(すいません)してたんですが、ズバリいい意味で裏切られました。

「償い」が裏テーマになっている今回のお話、山之内の抱く絶望のもうひとつの側面〝自分のせいで母親が死んでしまった〟と思い続ける罪の気持ちを、彼は最後に子供の未来を守ることで償いたかったのかもしれません。絶望のただ中にあった山之内に「再生」とか「希望」の兆しが見えてくるような、救いのある、沁み渡るエンディングでした。夏目刑事が言ったように、きっと彼、生まれ直せると思うよ…(涙)

わかってはいたけど、知っていたけど、やっぱり今回も「ただのゲスト」なんかに全然収まらないこのお腹いっぱいな視聴後感!!最後に声を大にして言いたい、

窪田くん、絶対犯人役やめちゃダメー!!

(いや、ご本人別にやめる気はないと思うけど ^^; )