全力日和

俳優 窪田正孝さんに前のめり

デスノート ♯10

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「仇は取るからね…」魂取られたみたいな顔…観たことない雰囲気で新鮮でした。
そしてここからラスト、眼に光が戻るところも素晴らしい。

 

いや、そりゃね。元々デスノートってお話はロジカルな面白さが魅力だから、雑な点はどうしたって目についちゃうし、粗を探せばいっぱいあります。メイソンの素性速攻割れすぎとか、ノートがメロに渡っているのに対策室のメンバーがすぐ殺されないのは変だとか。日村とメロの接点もよくわかりませんしね。が、しかし。それでも観ている私たちは引き込まれる。前回「完全キラ化」を果たした窪田くんが、今回はさらに「演技」という枠をも超えてきたような感覚でした。ちょうどクランクアップの記事が流れてきて「よかった…やっぱり演技だったんだ…」と安堵しちゃうような、本当に死神に魅入られてしまったのではと錯覚するほどの空恐ろしさを感じた第10話。物語はいよいよ佳境です!

 

総一郎が3本目のビデオに行くきっかけが弱い…あ、いやいや。いいんだ、そんなことはもうどうだっていいんだ(笑)優秀な警察官である総一郎が、月がキラであることにきっと気がつくはずだと信じてLが遺したメッセージ。キラは自分が仕掛けた網にきっとかかるから、夜神さんは何もしなくても大丈夫だと伝えたかった。きっと無茶をするに違いない総一郎を制止したかったのに、何かそれが〝引き金〟のようになってしまった皮肉と、哀しすぎる展開でした。そして、前々回から顕著になってきた、過去シーンのフラッシュバック。これまで父と子のストーリーを最小限ではありましたが、丁寧に描いてきた効果が出ています。6話のラストと今回は、ボリューム的にもちゃんと対になって見えましたよね。ライトの中身がなんと変わってしまったことか。お芝居に重みを与えているだけでなく、観ている私たちの感情もあそこへ嫌でも引き戻されて、苦しくなります。

 

ライトが決してごまかせないしっぽを掴まれて、ピンチに陥るのはこれで二度目。最初の相手はL。次は実の父親。Lのときはザ・対決!って感じだったけど、今回は顔つきや声色が、完全に親に悪事が見つかったときの子供のそれだし、もう動揺の仕方が凄いのなんのって。「もうやめよ?」「家に帰ろ?」「デスノートじゃないよ」何を言ってんのってぐらいの支離滅裂ぶり。「どれが本当のお前なんだ?」と突きつけられてどうしていいかわからず浮かべる笑み。このへんの細かい演出はどこまでが指示によるもので、どこからが役者さんの裁量なんでしょうか。こんなの事前に打ち合わせするの無理でしょ。なんてもの見せてくれるんだ!(震え)

 

見応えが凄いのは、決して多くない台詞のやり取りの中に、大量の気持ちの流れが詰まってて、それに合わせた過不足ない時間の使い方ができてるからかなと、この記事のために何度か見返して思いました。特に初見時はライトに目を奪われすぎて(すまねえ笑)疎かになっていた松重さんの総一郎。ライトの言い訳に失望し、息子の正体を前にして畏れ嘆き、命がけでぶつけた思いが届かないことを悟って絶望する。最後の一筆を入れる前なんか、カットも長くてホント最高ですよ!いつもは飄々とした魅力を放つことが多い松重さんですが、ここは表情で熱く語っています。

 

一方のライトも、「戻ってこい」と言われても厳然と拒否する。言葉は発せずとも顔に意思が乗り移ってるんですよね。不思議なのは月の言ってることに、当然感情移入できないはずなのに、どこか可哀想…って思えるんです。キラ思想に取り憑かれている悲哀といいますか…特にこの総一郎とのパートでは、母親の死をきっかけに溝が出来てしまった父と子が、こんな形で本音を交わし合ってるのが、とても残酷で…Lに「こんな形でしか出会えなかった」と言っていたライト。踏み出してしまって、そしてもう戻れないっていうのを強く感じた、二人の対峙でした。

 

ちなみに、原作ライトも「神になるために犠牲はしょうがない」的なことを言い、父や粧裕の命を軽視するようなくだりがあるんですが、直接手を下すようなことはありませんでした。なので、今回の話の流れは原作の何倍も容赦ないんです。私も最終回までに必ずライトが家族の命を天秤にかけるシーンが出てくると思っていましたが、ここまでとは…窪田くんシナリオもらったときビックリしたんじゃないかしら。^^:でも、制作チームが窪田くんにこそ、って用意してくれた展開のような気がして、ファン的に勝手に鼻高々でした(笑)

 

もうちょい原作の話をすると、夜神父はホントはもっと親バカなんですよ(笑)ドラマ版は、ライトよりもむしろお父さんの改変こそ生きたかなって気もしています。対策班メンバーといい、ドラマ版は各キャラの作り込みが隅々までよくなされてて愛しい。観ていて楽しかったです。

 

さて、いよいよ最終回。このところのビジュアルの素晴らしさもあって、終わるのが本当に惜しい、ドラマ版デスノート。私が原作→ドラマ化の中にあって、一番こだわって欲しかったラストシーン。個人的には超絶バッドエンドを期待しているのですが、あそこまで堕ちてしまったライトに、ほんの少しだけ「救い」がもたらされるといいな…。

 

名作でもまとめるのが難しい連ドラ最終回。延長もない短い時間の中でどう見せてくれるのか、見届けます!期待をこめて。^^