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全力日和

俳優 窪田正孝さんに前のめり

デスノート 最終回

窪田正孝 デスノート 連続ドラマ

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いわゆる良作と言われるドラマでさえ、最終回は難しい。一歩間違えると、それまで積み上げてきたよさまで台無しになってしまいます。このブログでも触れましたがアルジャーノンに花束をとか、あと窪田さん出てませんが、あの天皇の料理番でさえ、個人的には最終回でケチがついてしまった印象。あれこれ広げた風呂敷を最後綺麗に畳むのは本当に大変なこと。それでは最終回の感想と、ドラマ全体を通した振り返りです。

 

まずストーリー。もう最終回だから!ってことでしょうか。原作ネタが細切れに〝ブチ込まれて〟きてましたね(笑)ニアが機動隊員に紛れてその場を脱出する場面や、日村が実は南空ナオミポジションだったとか(人相がだいぶ違うケド笑)ノートをすり替えたのか!いやその前にすり替えてたのさ!とか。

 

コミックだとニア/ライトそれぞれの主体で語られていて、頭脳戦としての面白さが十分に伝わってくるんだけど、テレビドラマでそれをやると圧倒的に尺が足りないのと、あとこれは番組の構成上仕方ないけど、ある程度〝秘密の部分〟を持たせたまま次回へ行く必要があるのか、種明かしのタイミングがいつも後出しじゃんけん的に「実は◯◯だったんだ」って感じで出てきて上手くない。ネタがわかってからでないとカラクリに乗っていけないのは、やはりストーリーテリングとしてどこかちぐはぐな印象。ちょっと残念でした。

 

当然ラストシーンに行く前のお話の進ませ方も、大雑把(笑)ノートがどの時点ですり替わっていたのか、いやそりゃ、どこかですり替わってんだろうけど、やっぱり説明が欲しかったし、模木・相沢・松田のトリオが、総一郎から後を託されるまでに少しでも月を疑う描写を入れておけば(相沢がすごいちょっとだけ疑ってたけどw)メロ化したニアといきなり結託できたことも不自然には見えなかったはずです。

 

でも、もしかしたら制作チームもそのへんはある程度仕方ないと見切りをつけていたのかもしれないですね。とにかく監禁の回あたりから、明らかに窪田くん頼みみたいなシーンが多くなりました。これが最初からの予定で、それに沿ったキャスティングだったのか、演出や編集の方針が途中から変わったのかはわかりませんが、話が進むに従って「窪田劇場」の色合いが濃くなったのは事実で、その結果としてドラマ版は、より夜神月の人物造形にウェイトがある物語になったと思っています。

 

そして、その狙いにがっつり嵌り込んでしまったのか、それともただのファン目線か(笑)ラストシーンでは、ノートを拾ってから哀れな殺人者になり果てるまでが、走馬灯のように脳内を駆け巡るような感覚に…。

 

〝新たなる結末〟って、そういうことだったのか!「デスノートに運命を狂わされ破滅する」点は同じでも、窪田ライトがこのシーンを通して伝えたかったのは、同情のかけらもないクズ野郎を追い詰め「ざまあ!!!」とこちらに叫ばせることではなかった。壮絶な死の演技でライトが示したのは最後まで夢見た「犯罪のない世界」への執念。それは尊敬する父の夢でもあったし、怯えて生活する人がいなくなる世の中を、本気で実現したいという彼自身の夢でもある。しかも「世界平和」が自己陶酔の手段としてのフレーズではなく、この時点でもなお、彼の心からの優しさからきてるってことが辛い。冷酷を手に入れ、風貌が亡霊のように変わり果てても、ドラマ版・夜神月がキラでありたいと願う核心については、善意のままだったというのが本当にショックでした。

 

あまつさえ命の灯火が消えようとしている時に、リュークに「眼の取引」を申し出るなんて…その死に様に誇りすら感じ、観ながらいったい気持ちをどう持っていったらいいのかわからなくなりました。そして、この凄まじさに「焼死」というのは何かぴたりと当てはまるし、お芝居だってわかってるけど、己の理想を必死に追い求める姿が、俳優としての彼の姿にもほんのちょっと重なって見えてしまって…あー、心底ゾッとする。

 

原作とは違う。でも違うことに違和感がない。それどころか今、気持ちが完全にキラに寄ってる。最初は原作愛が邪魔をして(笑)「えー心臓麻痺じゃないなんて…」とガッカリモヤモヤしてたのに、リピートを重ねるうち、だんだん対策チームの人に「どうしてライト(キラ)のことをもっと理解してあげなかったのよ!!」と罵声を浴びせたくなってる(俳優さん個々のお芝居は最高でしたよ  笑)終わって少し時間が経っていますが、なんだかまだ重苦しさが抜けないです…語るに困ったらいつもこの文言なんだけど、またまた「なんつーもんを観てしまったんだ」という気持ちです…。

 

これは決して彼がNo.1だという意味で言ってるのではないけれど、こういう衝撃を放ってくる俳優さんって、やっぱり他にいない気がします。もうカテゴリーがなんなのかもよくわからない…(苦笑)ただ、お茶の間的にはかなり絶賛してくださった方が多かったようで、ホッとしました。「このドラマには刺激の強いシーンが含まれております」という注意書きが必要なのでは、と真剣に心配しましたが、なんとか受け入れていただけたようです。気分はすっかり保護者気分。よかったよかった。

 

とんでもない悲劇性を帯びて幕を閉じたドラマ版・デスノート。改めて座長の窪田さん、おつかれさまでした!また今回、月以外のキャストが本当に良くて、それぞれのキャラクターを想像しながらドラマを観るのが毎週とても楽しかったです。序盤のオタク設定に文句をつけたい気持ちや、監督さんのユーモアのセンスが若干ヘンとか(笑)映画プロジェクトのCMが入るタイミングがかなり感じ悪いよとか、言いたいことは山ほどあるんだけどさ!(爆)何もかも窪田さんがなぎ倒していってくれたような気がするからもういいよ!とにかくありがとう!

 

重盛以来か、こんなのは…(役で死ぬのも3年ぶり)って思ってましたが、ケイタもあったし、広義ではアリダなんかもこのグループかな。とにかく観るにあたっての精神作用が大きすぎて…次はいつになるだろう…しばらくはいいかな…いいかも(^_^;)

 

と、いうわけで。いったんレビューは締めになりますが、記事を書きながら、このドラマの〝含み〟のようなものを探してみたくなり、いま真ん中らへんの回とかもう一度おさらいしたくてたまらなくなってます(笑)機会があれば、また。

 

全11話、これにて完走。おつきあいいただき、ありがとうございました。